※本記事の情報は2026年10月10日時点のものです。
2024年8月の「令和のブラックマンデー」や、2025年4月の「トランプ関税ショック」で、怖くなって売ってしまった人も多いと思います。その後、日経平均は最高値を更新し、「売らなければよかった…」と感じている人もいるかもしれません。この記事では、一度売ってしまった人が、もう一度投資を始めるための考え方と、値動きがおだやかな3つの選択肢を紹介します。
この記事の結論
- 暴落で売ってしまう一番の原因は、自分が耐えられる以上の金額を株に入れていたことです
- 再開するときは「下がっても耐えられる金額」から、株に回す割合を逆算します
- 値動きをおだやかにする選択肢は、①バランス型の投資信託 ②債券・個人向け国債 ③REIT(不動産)の3つです
2回の暴落で何が起きた?売った人が損をした理由
まずは、直近2回の暴落をふり返ります。
| 暴落 | 日付 | 日経平均の下げ |
|---|---|---|
| 令和のブラックマンデー | 2024年8月5日 | 前週末比4,451円安(約12%) |
| トランプ関税ショック | 2025年4月7日 | 2,644円安(7.83%)、終値3万1,136円 |
その後、日経平均は2026年6月15日に終値6万9,317円の最高値をつけました。もちろん今後も上がり続けるとは限りません。ただ、下がった直後に売ると、その損が確定し、その後の回復を取り逃がしてしまいます。
売ってしまったこと自体を責める必要はありません。大事なのは、「なぜ売るほど不安になったのか」を次に生かすことです。
再開の前に:耐えられる金額から「株の割合」を決める
暴落で売ってしまうのは、多くの場合、投資の額が自分の不安の許容量を超えていたからです。そこで再開の前に、下がったときの金額を先に計算しておきます。
100万円を投資し、株が30%下がったときの例です(債券などは値動きがないと仮定した、シンプルな計算です)。
| 株の割合 | 株の金額 | 30%下落時の損 | 残り |
|---|---|---|---|
| 100% | 100万円 | −30万円 | 70万円 |
| 50% | 50万円 | −15万円 | 85万円 |
| 30% | 30万円 | −9万円 | 91万円 |
逆算の式は「耐えられる損 ÷ 想定する下落率 = 株に回してよい金額」です。たとえば「10万円までなら寝られる」なら、30%下落を想定して約33万円、50%下落を想定するなら20万円が目安です。
前回の暴落で「いくら減ったときに売ったか」を思い出すと、自分の許容額がわかりやすくなります。
値動きをおだやかにする3つの選択肢
① バランス型の投資信託
株と債券などを決まった割合でまとめて持つ投資信託です。1本で分散でき、割合の調整(リバランス)も自動でしてくれます。「株式◯%・債券◯%」と割合が書かれているので、上で決めた割合に近いものを選ぶのが基本です。新NISAのつみたて投資枠で買えるものもあります。
② 債券・個人向け国債
債券は、国や会社にお金を貸して利子を受け取る商品です。株より値動きが小さいのが特徴です。いちばんシンプルなのは個人向け国債(変動10年)で、次のような仕組みです。
- 1万円から買えて、金利は半年ごとに見直し。年0.05%の下限があります
- 発行から1年たてば中途換金でき、そのときは直前2回分の利子相当額(税引後)が差し引かれます
元本割れしにくい「守りの置き場所」として、株と組み合わせやすい商品です。債券の投資信託は、金利が上がると値下がりすることがある点に注意しましょう。
③ REIT(不動産投資信託)
REITは、オフィスや住宅などの家賃収入を分配する商品で、証券口座で少額から買えます。株とは違う動きをすることがあり、分散の一つになります。ただし、株式市場が大きく下がる局面ではREITも下がりやすいため、「下がらない商品」ではありません。1つの銘柄より、複数のREITに分散した投資信託やETFのほうが値動きはおだやかになりやすいです。
筆者の見解:再開は「少額・積立・ルールを紙に書く」の3点セットで
一度売ってしまった人こそ、一括で戻らず、積立で少しずつ再開するのがおすすめです。買う時期が分散されるので、「買った直後にまた暴落」の後悔が小さくなります。
- 少額:上で計算した「株に回してよい金額」の範囲で始める
- 積立:毎月決まった日に自動で買う設定にして、相場を見て判断しない
- ルールを書く:「◯%下がっても売らない」「生活費の3〜6か月分は預金に残す」をメモしておく
暴落したときの積立の続け方は株価が暴落したら積立はどうする?、口座の作り方は新NISAの始め方、iDeCoとの順番は新NISAとiDeCoどっちが先?で解説しています。
まとめ
- 暴落で売ってしまうのは、投資額が自分の許容量を超えていたサインです
- 「耐えられる損 ÷ 想定下落率」で、株に回す金額を先に決めましょう
- バランス型投資信託・個人向け国債・REITで値動きをおだやかにし、積立で少しずつ再開するのが現実的です
まずは「いくら減ったら不安で眠れないか」を1つの数字で決めるところから始めてみてください。
出典・参考
- マネックス証券「2024年8月5日のマーケット」(2026年10月10日確認)
- JPアセットマネジメント「マーケットレポート(2025年4月8日)」(2026年10月10日確認)
- 日本経済新聞「日経平均最高値、終値6万9317円」(2026年6月15日)(2026年10月10日確認)
- 熊本日日新聞「東京株式 15日終値」(2026年6月15日)(2026年10月10日確認)
- 財務省「個人向け国債の概要」(2026年10月10日確認)
※本記事の情報は2026年10月10日時点のものです。制度内容は変更される場合があるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。投資に関する記述は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の購入を勧めるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
