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※2026年10月17日時点の情報です。出典は記事の最後にまとめています。
ニュースで「実質賃金がプラス」「実質賃金がマイナス」と聞いても、自分の給料にどう関係するのかピンとこない…という人は多いと思います。
この記事では、実質賃金の意味をかんたんに説明したうえで、20代一人暮らしの人が自分の手取りで「給料が物価に勝っているか」を計算する方法を紹介します。
この記事の結論
- 手取り21万円の一人暮らしで、物価が2%上がって昇給がゼロだと、買える力は月4,118円分へります(モデルケース)
- 実質賃金は「給料 ÷ 物価」。自分の場合は、昇給率と物価上昇率を比べるだけでおおよそわかります
- 昇給が物価に負けている人は固定費の見直し、勝っている人は増えた分を先取り貯金に回すのがおすすめです
実質賃金とは?名目賃金との違いと最新の数字
実質賃金は、物価の上がり分を差し引いた「給料で実際に買える量」のことです。給料の金額そのものは名目賃金といいます。
たとえば給料が2%増えても、物価も2%上がっていれば、買える物の量は変わりません。この場合、名目賃金は2%増、実質賃金は0%です。
| 項目 | 名目賃金 | 実質賃金 |
|---|---|---|
| 意味 | 給料の金額そのもの | 物価の変化を差し引いた、給料で買える力 |
| 計算 | 給与明細の金額 | 名目賃金 ÷ 物価 |
| 2026年8月(速報)の前年比 | 3.8%増 | 1.5%増 |
厚生労働省の毎月勤労統計調査(2026年8月分速報、10月7日公表)では、1人あたりの現金給与総額は311,364円で前年同月より3.8%増えました。物価(消費者物価指数)は2.2%上がったので、実質賃金は1.5%増です。
ここでいう物価は、「持家の帰属家賃を除く総合」という指数です。持ち家の人が自分に家賃を払っていると見なす分を除き、実際にお金を払う物・サービスだけで計算しています。
【独自】自分の実質賃金を計算する3ステップ
ニュースの実質賃金は全国の平均です。自分の給料が物価に勝っているかは、次の3ステップで確かめられます。
- 去年と今年の同じ月の手取りを並べる:給与明細の「差引支給額」を使います。残業代が大きく違う月は避け、ボーナスは入れないほうが比べやすいです
- 物価の上がり率を調べる:総務省や厚生労働省が毎月公表している、消費者物価指数の前年同月比を使います(2026年8月は2.2%)
- 今年の手取りを「1+物価の上がり率」で割る:出た金額が「去年の物価に直した今年の手取り」です。去年の手取りより少なければ、物価に負けています
確かめたこと:モデルケースで計算してみます。去年の手取りが20万7,000円、今年が21万円の人の場合です。
- 手取りの増え方:21万円 ÷ 20万7,000円 = 約1.4%増
- 去年の物価に直すと:21万円 ÷ 1.022 = 約20万5,479円
- 去年との差:20万5,479円 − 20万7,000円 = 約1,521円のマイナス
金額は3,000円増えているのに、買える力は月約1,500円分へっている計算です。昇給率(1.4%)が物価の上がり率(2.2%)を下回ると、こうなります。
もっとざっくり知りたいときは、「昇給率 − 物価の上がり率」でもおおよその方向はわかります。
【独自】昇給率別の早見表:手取り21万円・物価2%上昇なら月いくら?
物価が2%上がった年に、昇給率によって手取り21万円の買う力がどれくらい変わるかをまとめました。
| 昇給率(手取りの増え方) | 実質の変化 | 手取り21万円で月いくら分 |
|---|---|---|
| 0%(昇給なし) | 約1.96%減 | 約4,118円分へる |
| 1% | 約0.98%減 | 約2,059円分へる |
| 2% | 変わらない | 0円 |
| 3% | 約0.98%増 | 約2,059円分ふえる |
| 5% | 約2.94%増 | 約6,176円分ふえる |
物価2%上昇の年、手取り21万円の「買える力」の変化(月あたり)
昇給0%
昇給2%
昇給5%
前提:モデルケース。手取り21万円、物価上昇率2%。計算方法:21万円 ×((1+昇給率)÷ 1.02 − 1)
昇給なしの場合、年間では約4万9,000円分(4,118円×12か月)の買う力がへる計算です。物価の上がり率は年によって変わるので、そのときの数字に置きかえて使ってください。
【独自】ニュースでプラスでも暮らしが楽にならない3つの理由
「実質賃金プラス」と聞いても実感がないのは、統計と自分の給料が違うものを見ているからです。
- ボーナスなども入っている:統計の現金給与総額には、毎月の給料に加えて賞与なども含まれます。ボーナスが増えた人の分で平均が上がることがあります
- 額面で計算している:統計は税金や社会保険料を引く前の金額です。手取りの増え方は、額面より小さくなることがあります
- 全員の平均である:業種や会社によって昇給率はばらばらです。平均がプラスでも、自分の昇給が物価に届いていない人はいます
だからこそ、ニュースの数字ではなく、さきほどの3ステップで自分の手取りを確かめるのがいちばん確実です。
【判断基準】昇給が物価に負けている人は固定費、勝っている人は差額を先取り貯金へ
自分の計算結果によって、やることは変わります。
- 物価に負けている人(へった額が月2,000円以上):給料をすぐ上げるのは難しいので、まずスマホ代・電気代・サブスクなどの固定費を見直します。一度下げれば、毎月その分が戻ってきます
- ほぼ同じ人(±1,000円くらい):いまの生活は保てています。物価が上がる年に備えて、家計簿で食費や日用品の増え方を見ておきましょう
- 物価に勝っている人:増えた分は生活費に溶けやすいので、給料日に先取り貯金や積立に回すのがおすすめです
- 昇給がほとんどない状態が何年も続く人:固定費の見直しに加えて、資格や転職など収入を上げる手も考える時期です
どの場合も、1年に1回、同じ月の給与明細で計算し直すと、自分の給料と物価の関係がはっきりします。
次の一歩
計算してみて物価に負けていたら、まずは毎月かかる固定費から下げるのが近道です。どこから手をつけるかは、一人暮らしの固定費見直しはどこから?始めやすい順5つでまとめています。
まとめ
実質賃金は、物価の上がり分を差し引いた「給料で買える力」です。自分の場合は、今年の手取りを「1+物価の上がり率」で割り、去年の手取りと比べればわかります。
物価に負けていたら固定費の見直し、勝っていたら差額を先取り貯金へ。ニュースの数字に振り回されず、自分の給与明細で判断しましょう。
あわせて読みたい:先取り貯金のやり方|手取り20万の一人暮らしは月いくら?/20代一人暮らしの生活費は平均いくら?/10月値上げ一覧/年末調整2026の変更点
出典・参考
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和8年8月分結果速報」(2026年10月7日公表)(2026年10月17日確認)
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和8年7月分結果速報」利用上の注意(現金給与総額などの定義)(2026年10月17日確認)
※本記事の情報は2026年10月17日時点のものです。統計の数値は改定される場合があるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。投資に関する記述は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の購入を勧めるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
